「適材適所」って言葉がありますけど、あれって会社や上司にとって「都合が良いだけ」の適材適所では、ダメだと思うのです。
最も重要なことは、仕事をアサインされた人材が「自分にとって適している」と自ら感じてもらえるかということ。
この点は会社で管理職を務めていた時から強くこだわっていました。組織運営上において実に重要な要素だと。
別に「部下を甘やかしている」わけではありません。人材が「これをやりたい」というから、「じゃぁ、これをやったら」ではマネジメントにならない。大事なことは、「このポジションでの仕事が、自分にとって絶対にプラスになる」と納得してもらえるかどうかにあります。
そして、目の前の人材が求める仕事と、組織運営上のメリットが一致する落としどころを探し当てること。これこそがマネージャーとしての責務です。
ところが、世の中には「ビジネス上、仕方がないのだ」の一言で、ビジョンを語ることもなく仕事を押しつける管理職が多い。
残念な限りです。
最も重要なことは、「説明責任を果たすこと」にあります。
それができないのであれば、もはや管理職でもなんでもない。
ただの、「オペレータ-」です。
私は年に一度のキャリア面談を、5回以上同じ部下とやったことがあります。
すべては、目の前の仕事に対して、納得して向き合ってほしいからです。
そうしなければ「部下のキャリア」も、「組織のパフォーマンス」も、双方が発揮されないわけですから。
ちなみに、何度も面談をやりなおした元部下は、数年前の出来事を今でも鮮明に覚えてくれているらしいですよ。
マネジメントの本質と、向き合う必要があります。
IT化が進んで、本当の意味で「人の力」が必要となる現代では尚更のこと。
サービスマネジメントの専門家として、改めて思うところです。
「適材適所」って実に便利な言葉で、いろんなところで軽々しく使われていますけど、人は「モノではない」ですからね。