「非効率なことが、実は効率的」というススメ

 

「非効率なことを続ける方が、実は効率的である」

 

この考え方は、私自身のコアな部分、そのもの。

 

「効率化」という価値を常に前面に出しビジネスを展開するIT業界に身を置いていることを考えると、周りには矛盾に聞こえてしまうかもしれない。だが、

 

「効率ばかりを追っていると、大事な勝負には勝てない」

 

とも、考えている。

 

そもそも、「勝負を制する」とはどういうことだろうか。
シンプルに捉えてみれば、「競争相手よりも優位な立場になること」だと言える。
ところが、決して短くはない芸能界時代を過ごしてきた私の感覚はちょっと違う。
最も重きをおくのは、

 

「競争相手が少ない場所を見つける」

 

点にある。

 

理由は非常にシンプルで、ライバルが少ない方がトップを取りやすいからだ。では、現代において、そのポジションを見つける最も簡単な方法とは何か。

 

なんてことを考えると、私なりの答えが見えてくる。

 

「サバイバル時代」だの、「競争社会」だの煽ってばかりの風潮が続くが、それは合っていて、間違っている。結局、みんな「便利」に慣れすぎてしまい、面倒くさいこと、汗をかくことをから避け続けているだけだ。常に自分に対して労力をかけないような方向で物事を考えているから、必然的に競争が厳しくなるという構図が成り立つ。

 

つまり、すごくシンプルな話で、

 

「誰もやらないようなことを、積極的にやる」

 

ことにより、自然な形で差別化が図れるのだ。何故ならば、そこは、

 

「勝負する相手が、自ら去っていった場所」

 

だからである。

 

最初から、楽をすることを考えるのはやめよう。望むものが大きければ大きいほど、それとは真逆な道が待っている。ドーム球場をファンで埋め尽くすカリスマロックバンドだって、最初は小さなライブハウスを埋めるためにチケットを自ら手売りするところから始めているのだ。

 

有名プロデューサーの元で、「売れさせてもらう」ことだけが選択肢ならば、必然的に競争率は高くなってしまう。そんなことを考えなくても、ふと周りを冷静に見渡してみれば、誰も手を付けていないニッチなところは多々ある。それに気付かないのは、自分自身が「便利」に慣れすぎているからに過ぎない。

 

あなたがそれに目を背けるのであれば、私はあえて手を出そう。
苦労の先に掴むのは、宝の山だ。